セミさんについて長々語っている

以前


蟬ヶ沢 卓とは

 “蟬ヶ沢はデザイナーだ。アイスクリーム事業部の展開におけるイメージ戦略の顧問である。もちろんいい年をした男だ。しかし女みたいな口を利く。オカマなのかと言えば、少なくとも格好は男のそれで十助(※2)みたいに化粧などはしていない。男に言い寄ったという話も聞かないが、しかし独身である。単にナルシストかもしれない。”(原文)

 (先生、初登場の説明が濃いです)

 職業、デザイナー。初登場となるペパーミントの魔術師ではアイスクリーム事業部の展開におけるイメージ戦略の顧問をしていた。

 いい年をした中年。女性のような言葉遣いをするのが特徴。景山(※1)曰く、十助や玲に比べれば変人でも常識はわきまえている。

 竹田の師匠からも蝉ヶ沢の仕事は見ておいて損はないと言われる程、評価されている。

仕事には手厳しいが、どこを直せば良いのかちゃんと指摘し、助言もする。

 すっきりとしたスーツを着ている。職業柄なのか、靴や腕時計が派手で、それがまた似合っている。

 愛称はセミさん。公式でセミさん。天使篇で、竹田君が彼をそう呼んでいた。ありがとうございます。まさか公式でも呼ばれているとは知らず死にました。

スクイーズとは

 蟬ヶ沢の合成人間としての顔。スクイーズはコードネームで、 統和機構というシステムに所属している。彼としては、合成人間としてよりもデザイナーとして仕事をしている方を好み、合成人間としての仕事を片手間と語る。

 能力は「見えない衝撃波」。ほぼ無音で人ひとりから大勢(ペパーミントのイベントに来ていた人間は処理できるほど)、広範囲に強力な衝撃波を飛ばすことが出来る。特殊な肺で空気を圧縮する必要がある為、チャージに三秒ほどかかるのが難点。

 「それは彼の肺の中で圧縮された空気の噴出なのだ。ただの噴出ではない。それは音響共鳴を加えられて、ある程度の堅さの物体と接触した途端、そいつの分子構造を揺さぶりずたずたにしてしまう恐るべき“空気と音の圧縮レンジ”」

 特殊な肺を持つのは上遠野作品では彼のみ。階級は不明。

 スクイーズ(squeeze)の意味は【圧搾(あつさく)する、搾る、押しつぶす、搾り出す、搾ってする、ぎゅっと握る、きつく抱く、引く、(経済的に)圧迫する、搾取(さくしゆ)する】

引用 https://ejje.weblio.jp/content/squeeze

登場作品

『ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師』

『ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ侵食』

『ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド』

『電撃ヴんこ』 天使篇 (真贋について)

『電撃hp Vol.5』 死神を待ちながら

(※1)景山……ペパーミントの魔術師に登場する。MCEから派遣されてきた社員。十助は男女関係なく人を呼ぶ時は苗字ではなく名前で呼んでいたが、彼だけは最後まで下の名で呼ばれることはなかった。

(※2)十助……ペパーミントの魔術師に登場する。痛みをアイスの味に変換して好みを突くアイス職人。世間知らずで蟬ヶ沢や関係者には苦労をさせている。彼に関しては誰かからの説明よりも、本篇を読んで何をしていたのか知ってほしい。

****

時系列

1.合成人間になる。

2.デザイナーとして、社会に溶け込む。

3.レイン・オン・フライデイの監視が始まる。

(ハートレス・レッド)

4.十助のアイスクリーム店のイメージ顧問に就任。

(以下、ペパーミントの魔術師)

5.寺月の会社MCEからアイスクリーム店を独立させる為に、取締役を任される。

(4~6の間に天使篇がある)

6.スクイーズとして、十助とアイスクリーム店の愛好者の処理の任務を受ける。

7.処理に失敗し、十助に関係する場所に警報を設置した後、通常の任務に戻る。

8.十助がかつて過ごした家に戻ったので、スクイーズが処理する為に向かう。

9.能力のこつを掴んだ十助にある操作をされ、十助を処理したと思い込まされる。

*****

 個人的に彼を見て欲しいポイントは、言葉づかいと態度の変化、任務の前のある行動、行動の指針、の三点。

 言葉遣いと態度。

 蟬ヶ沢の時は女性のような言葉遣い。スクイーズの時は、サラリーマンのような丁寧口調、軍隊の兵士の様な(バーゲン・ワーゲンのシュバルツ寄りの)口調の三種類に分かれている。

 スクイーズの対応の仕方

ffさん→慇懃無礼。(この人すっごい馬鹿にしているけど大丈夫か)淡々としているが、仕事して冷静に努める。

スプーキーさん→この人と話している時一番そっけない態度取る。

ユージン→(竹田君がいたせいもあるだろうけど)警戒心高め、でもからかう余裕はある。

キャプテン・ウォーカー→合成人間としての会話こそないが、表向きの身分でお互い十助に関して苦労している愚痴は言い合っていた。スクイーズ曰く、スクイーズの能力より恐ろしい。

レイン→丁寧口調で接しているけど、ffさん相手の時とは違い、慇懃無礼な態度ではない。

 任務の前のある行動に関して。

 処理をする前に、この人一言懺悔っぽいことを言うんですよ。

 ある任務では「これも任務だ、悪く思うなよ」、また別に任務だと、「(略)本当に馬鹿正直に……」忌々しそうに顔を歪めた。「なんでわざわざ戻ってきたりしたんだ。逃げられたのなら、そのまま逃げてしまえばよかったものを……」中略「気持ち的にできるできないの問題じゃないんだ。やらなくてはならない」

 懺悔以外もあるじゃねえかというツッコミはなしで。

 この『ペパーミントの魔術師』には合成人間があと一人出てくるんですが、一人は嬉々として処理の任務を遂行しようとしていて、もう一人も処理が面倒だなと思っている様ですが、どちらも、罪悪感に囚われているような感情は見受けられないんです。(キャプテン・ウォーカーとスプーキーさんのことなんですがね)

 行動の指針。

 これに関しては『ペパーミントの魔術師』ではなく、『電撃ヴんこ』掲載の『天使篇(真贋について)』に書かれていたことですね。(最初読んだ時発狂したよね)

 合成人間の任務はMPLSの発見で、何故発見するかって目的が世界に仇なす新芽を摘もうってこと。ただ、仲間に引き入れられるなら引き入れるそうです。サブのお仕事では一般の人間へちょっと“実験”をしたり、“処理”したり。(ぼかしているのは明確に書くと怒れそうな内容になる為ね)

 正直お世辞にもやりたくないなって思う任務ですが、従う理由は人それぞれ、大抵従う上に逆らうと逆に処理されちゃうのでとか、後ろ盾として、トップに上がる為、野心まみれな感情が多いです。そんな中でスクイーズはこんなことを考えているのですよ。

「 統和機構は、人類の未来を守ると称して、MPLSを狩り立てているわけだが、それはなんのための殺戮かーーただでさえ殺し合いで溢れたこの世界なんぞ、守ったところで大した意味などないないんじゃないのかーーそういった不安が、ああいう人物に会うと、少しは和らぐ。彼のような人間を守るために、我々は戦っているのだ、みたいな気になれる」

 読んだ時発狂したよね(二回目) なにこの人もおおおおおーーーーーーーー!!!!

 あのさあのさ、なにこのお人よし。大丈夫?この後死なない?大丈夫?ってなりました。十助君の能力で戦闘不能状態にされましたが、まあ、死んでないから大丈夫。たぶん。

おまけ

1.凄いお人よし

 この人さ、合成人間の中では致命的にお人よしな気がする。処理の任務遂行の時の懺悔タイムといい、レインに忠告したり、十助にあのまま逃げていればよかったものをとか、玲ちゃんがスプーキーの洗脳で十助君の味をコピーされていることを嘆いたり、十助君があんなん洗脳よりも彼女個人に任せろよ発言に蝉ヶ沢の感性が共感したとか。

2.ここが“かわいい”

 お茶目。なんだこのおっさんお茶目すぎて可愛くて死ぬ(語彙力0)。くすくす笑うのも可愛いし、十助君に振り回されて悩む様もかわいい。

 天使篇で初めてビジュアル見たんですが、死にましたよね、へへ。『ペパーミントの魔術師』では彼のビジュアルイラストも外見的特徴がないのですが、天使篇でやっと!やっとですよ、挿絵…扉絵か、ともかくイラストとして描かれていたのですよ。禿げる。これは禿げる。うしろ姿だけでも充分!

3.女子中学生に姫待遇ぶちかますおじさん。

 ハートレス・レッドの最後で、少しだけスクイーズが登場する。レインを監視していたミセス・ロビンソンが亡くなった為、その後釜である。

 まるでお姫様をお迎えに上がりました、みたいな態度で助手席に導いたんですよ。助手席にとか、ああもう羨ましい。

4.それは素ですか、擬装用の演技ですか

 十助君のアイスの愛好者の一人が、ちょっと十助君と仲良すぎないかと景山と話している時に、セミさんが爪を歯で、がりっと、噛んだという。

 これ素なのか、偽装から素になったのか、おじさん教えて。

5.その伏線の回収は何十年後ですか

 天使篇で、ハートレス・レッド後もレインとつながりがあるスクイーズさんですが、ユージン曰くなにかレインさんの下で何かをしているとか。(2018年3月の時点で)15年放置されているこのネタを先生は覚えてくれているだろうか……。

6.思った以上に体格が良い

右から、蟬ヶ沢卓、天色優、竹田啓司


で か い 。想像していた時は細身な方かと思思いきや、流石緒方先生、いい方向に期待を裏切られて、この絵を見た直後私は死にそうになりました。

 残念ながらセミさんの絵は本当にこれだけで、顔が解らず…。それはおいといて、この体格差はすごくないか。天色君の華奢が強調されていて、こやつ男かと疑いたくなるけど、骨格は男の子でした。

 セミさんのこのファッションセンスを見てくれ。オレンジ。オレンジのジャケットを着ている。お洒落。死にました。

 この体格で、姫待遇で、お洒落で、サポートもお手の物とかスペック能力が高いこのおじさんの魅力多過ぎてオーバーキルです。

 出番といい、出ているところといいあまり目立つことはしていません。キャラはあんなに濃いのにね。本心を必死に押さえて任務をこなしているところや、デザイナーとして働いている姿が素直に仕事を楽しんでいる姿に注目してくださると、たぶん少しだけ、セミさんの印象が変わるか関心が増してくれることを祈ります。

 ついでに後ろ姿でも分かる良い男なので誰か描かないかな。

余談

 蟬ヶ沢の名前が、高確率で“蝉ヶ沢”に間違えられている。というか、ファンの人でも誰一人蟬ヶ沢で呼んでいない。もしかしたら、これまで誰も気づいてなかったんじゃないくらい。

 本当に誰も蟬ヶ沢と呼んでいないことになると、二十年以上も間違えて覚えられてたことになる。

 出来れば、セミさんの事を話す時は蟬ヶ沢を使ってください。

 ここまでお読みいただきありがとうございました。

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