2017.10.29 13:57バッタと圧搾十助は肌の色が緑であることを恐れて、必要以上には近づかず、触れもしない。深夜までの作業に疲れて寝落ち、起きるとソファに寝かされているのに気がつく。側にいた蝉ヶ沢が十助を運んだと言い、何も見てないよねと思わず尋ねる。よだれ垂らしてぐーすか寝ていた奴なら見たわねってとぼける。寝ぼける十助が「僕の肌は緑で、つまるところ人間じゃないんだ」と言うと、蝉ヶ沢も「実は私も人間じゃないのよ」って返す。十助君人を苗字よりも名前呼びにしているけど、あの肌故に人と一定の距離を置かないといけないって自制と、寂しさから人に会いたがる性がいいですね。でも景山だけは最初から最後まで苗字呼びである。
2017.10.22 22:05もう一人葉書如何でしょうか伊佐さんと自分を呼ぶ声が聞こえる。声の聞こえる方を向くと彼女がいた。「二人して葉書を書きあうなんてズルいわ」隣にいる千条は凍ったように止まっている。他の人も停止している。動いているのは自分と、彼女だけのようだ。 彼女は千条と伊佐の間に飛び込んで挟まり、両方の腕を掴む。伊佐は彼女に引っ張られて転びそうになるが、千条は停止したまま場所を動くことが出来ないらしい、飛び込んできた彼女の衝撃を押さえた。 彼女は千条が停止していることに不服な様子を見せたが、仕方ないと小さく溜め息を付いた。「それは悪かったな」伊佐は彼女がこの場にいるわけがないことを理解していたが、久しぶりに話せることに嬉しさの方が勝り、何故ここにいるのかは追及しなかった。 彼女が千条が持っていた葉...
2017.10.22 22:00泡の跡宮下泡にも終わりが存在するだろうし、その終わりの瞬間が肉体の持ち主の瞬間。一瞬か少し前に白昼夢みたいな時間が流れない間があって、そこで泡もお別れを再度告げたら、ううっってなるブギーポップの終わりのひとつとして、宮下藤花の肉体の限界よりもブギーポップという人格そのものが消えるのが先だとする。言い残すともできない、何も残せないけど、消えた時だけ“消えた”ってはっきりと捉えたのが彼だったら。魔女戦争の波動の影響みたいに泡の関連する記憶を持ってんのは彼だけ。