心は戦にあり

戦が終わった。


自身よりも一回りも二回りも年も身もあるサムライの報告が聞こえたのは雷電型のサムライを切り伏せて二十を数えた時だった。真なる報告か聞き返す間もなく、背後からぎりりと音を立ててキュウゾウを切ろうとする。音もなく刀も腕も切り落とす。目の前で崩れ落ちる人なのか機械なのか判別出来なかった。


終戦の影響においてはサムライ、武家には戦とは異なる痛手を食らうことになる。武家の分家ともあって、影響力がない家は商人に金に食われ吸収された。キュウゾウの家系は分家として本家を支えることもあり、残るか出るかを選択され迷わず家を出た。ここにもう戦をするような者はいないと確信したのだ。

戦の終わりはサムライの死。戦あってのサムライは完全に現代から取り残された。キュウゾウもそれを気づかないわけがない。待ち構えていたのは痩せこけたり、中途半端に機械化をしたサムライだった者だ。家を出ても無関係、俺たちの戦と襲いかかる。言い終わらせずに切り捨てる。「仇討ちは戦ではない」



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