ちょっと古い、もとい老舗の駄菓子屋に来たサーカムの保険調査員。ペイパーカットの予告文を確認しに来た伊佐たちだったが、店主はかたくなに見せてくれない。偏屈で頑固、千条が説得するが納得するどころか店主を怒らせてしまう。伊佐が何個かの駄菓子を見て懐かしむと、店主は奇妙な要求をしてきた。
今から指定する金額に納める範囲で駄菓子を買え。
店主はそういうと店の奥に行ってしまった。
「千条、指定された金額に合わせてお菓子を買うと組み合わせはどうなる?」
二人してうんうん唸っていると、店主が戻ってきた。
「君らは子供のころに駄菓子を買ったことは無いのか」
「生憎近所に駄菓子屋が無かったものでね」
「お前さんら、子供はいるかね」
「いや、俺もこいつもいないよ」
伊佐が知る限り、生前の彼を見てもとてもじゃないかいるようには見えなかった。いたとしても今の彼は覚えてはいないだろう。
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