あらすじ。
ロボット探偵に内臓されたチップの情報処理能力が落ちているので、これまでの記録を本部に残してからいくらか余分なところを消して、記憶容量を軽くするつもりだったが、チップでは消せと言う命令に反してある記憶が消えてくれない。
千条は知らない女性。これまであったことがないはずの女性だ。チップで補われてから演算のミスは電子機器の障害の時を除いて起きたことがない。
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ロボット探偵の情報処理能力にはもちろん限界がある。最初こそ容量が大きかったものであろうが、時を重ねれば情報と言うのは一つに留まれば貯まってしまう。情報がそのまま入った
内臓されたチップには膨大な情報が入っている。チップに元々入っていた情報もあるが、千条個人の記憶も存在している。
彼の記憶は定期検査の時に定期的にサーバーにバックアップされ、チップの演算処理を上げる為に記憶をいくらか消すような指示が出されている。
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千条は窓に手を置いて、何か小声で言いながら震えていた。
「この女性の情報のみ消去できない。僕は知らない。伊佐、どうしたら消すことが出来るんだい?釘斗博士に相談したほうがいいかな?」
「そいつはまだお前にとって消したくない記憶なんだ。無理に消すことはない」
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