2017.04.29 22:00合成人間飲み会対決予告風にしているだけで中身はさっぱり書いてない。おねえ言葉がガチなのか気になった十助。酔っぱらったら分かるんじゃないと楠木が適当なことを言うと、寺月が(蝉ヶ沢が用まで帰れません)飲み会を(強制参加)開催。マルコや景山、ほとんど合成人間の飲み会に蝉ヶ沢はどこまで頑張るか。次回、「へっへっへ、アイス・ナインって知っているか?」流石はCEO寺月。統和機構の経済を支えたり、世界の金回りの操作やらを任されているとも聞くだけあって、高い酒ばかり湯水のごとく出てくる。度数も高いものばかりでこれなら全員先に酔ってくれると胸を撫で下ろす蝉ヶ沢にだったが、彼はまだ合成人間が本格的に酔った姿を見たことがないことを知らない。次回、「酒で寝ないなら薬で」合成人間はアルコールの耐...
2017.04.29 22:00鈍いったらありゃしない概要。千条のねーちゃん頑張りました。姉×伊佐っぽいですが、CPとして認識するも良し、からかいでも良し。 彼女は困ったことをする。「ねえ、お願いしてもいいかしら」突然聞かれ返答に困り、黙る。彼女は返答されなくても気にしないようでそのまま話を続けた。「お願いと言ってもお願いというほどでもないわ。ちょっとしたしてもらえたらいいわねってくらいよ」ならば言って欲しいなと思うが、先に何を頼まれるのか予想はしてみる。「付き合ってくださらないかしら?」「…………何にでしょうか」本気で真意がわからない。 彼女は呆れているような、がっかりしているような顔で本で顔を隠してしまった。 見張りの男が出て行ったあと、弟の雅人がティーセットを持って入ってきた。 お茶を飲んで一息つく...
2017.04.27 22:00居酒屋概要。サーカムコンビが居酒屋に行く。 千条は自らは外出することはない。伊佐が外出するときに連れていってもらう以外では出歩くことがない。少なくとも伊佐が知る限りの千条なので、昔は出歩くこともあったであろう。 特別決まりではないが、仕事が早めに終わるとき伊佐は千条を誘って出掛けることが多くなった。伊佐も自ら出掛けることが少ないが、千条に比べれば随分と出掛けているに入っているだろう。 出掛ける時千条を誘うことに意味はあまりない。強いて言えば、千条の驚く顔みたさもある。向かう先々の体験が今の千条にとっては初めてであることが多く、あまり感情表現が豊かではない千条が珍しく指示されずに出す顔なのだ。「……で、今日はどこに行くのかい?」 車を運転しながら千条は助手席の...
2017.04.17 22:00チャンスは与えられた その人形は奇抜な姿をしていた。けばけばしい彩色をしていて、一目見たら忘れられなさそうな見た目をしている。 ひょひょひょひょ!やあこんにちは。吾輩は陽気なマスコット、その名もハズレ君。先程の説明文で分かるが、吾輩は人形だ。今ちょうどいいところがあって、密かに実況をしている所だ。何を実況しているかって?それは、吾輩のご主人と、その吾輩のご主人のご主人の対面さ。 まあ、先に吾輩のご主人の話をしよう。吾輩のご主人は、“でびる屋”というのをやっている。具体的に何をしているかというと、説明しづらいが、つまる所なんでも屋にも近いかもしれないな。ご主人の名前は色々あって、正直吾輩もどれがご主人の名前なのか解らないのが現状だ。褐色の肌をしていて、彫が深めで、鼻筋が通っ...
2017.04.16 22:00手向け 竜が死んだ。 遠くにいる竜の死を感じた。この力、間違いないロミアザルスにいるあいつだ。一体何故。 荒野の竜は鳴いた。 この世界にいる竜は世界に七匹存在している。正確には“いた”である。天候でさえいともたやすく操る力を持ち、全人類の知識をはるかに超える知性をもった、まさに全知全能の生き物だ。 その竜が死んだのだ。それも、何者かによって刺殺されたのだ。 ロミアザルスにいた竜が殺されて幾ばくか経った。荒野にいる竜は空を飛び、下界を見下ろしていた。 下には三人の人間がいる。大柄な男と、仮面を付けた奇妙な男、前者の二人と同じくらいの年かと思われる女性の組だ。三人が何を話しているのかは遙か上空でも聞こえた。 聞けば、先日殺された竜の事件を調べているらしい。……...
2017.04.16 22:00咲くのは次、僕は散る 事件がひと段落付いて帰りの時の事である。千条が伊佐を送る為に車を運転している所だ。 伊佐は千条と話す訳でもなく、ただぼんやりと外を眺めている。男女の、恐らくは恋人同士であろう二人組が見えた。それに四人五人と幾人か固まって移動する男子学生や女学生の団体も見える。時間帯を考えればいても可笑しくはないが、可笑しいのは向きである。「千条、この集団の行く先に何があるか解るか?」千条の頭に埋め込まれているチップには、地図のデータも入っている。カーナビよりもデータが多く入っている。伊佐に聞かれ、すぐに答えた。「城下町だよ。時期を考えると、桜が咲いているから、桜を見にいっているのかもね。伊佐も見に行きたいのかい?」「……いや…」と、言いかけて「行こう。どうせ千条も俺...
2017.04.16 22:00たちが悪い冗談だ 今外は雨だ。車から見るだけでも雨の酷さは解る。現に伊佐と千条が車の中に閉じ込められているのはこの雨のせいである。帰りに山道を通ると、崖崩れによって道を遮られてしまった。戻ろうとしたが、生憎この道路は戻っても行きつく先は山岳の為の施設だ。仕方なく伊佐と千条は施設に戻ることにした。 去るときに確認したが、施設には殆ど人はおらず、施設を管理する者くらいしかいなかったはずである。駐車場には伊佐たちが乗る車くらいしかないが、長時間の駐車は避けられない為、駐車場の使用許可を取らねばならない。千条が許可を取ってくると名乗りを上げて、施設に向かうことになった。「伊佐はここで待っていて」ドアを開けると、すぐさま雨が入ったので車の中がぐっしょりと濡れてしまった。千条は雨...
2017.04.16 22:00ただいま 千条が動かなくなった。瞼が開いたままでもなく、ただ寝ているように見えるので、チップが電磁波によって機能停止した等という訳ではなさそうだ。そもそも、缶コーヒーを買いにいく間に、動かなくなったのだ。もし、このタイミングで千条の動きを封じて狙うならば、何も起きて無さすぎる。彼にしては珍しい無防備な『普通』の寝顔に溜め息をついた。「…………博士の所に行くか……」 どうにもこうにも、この状態をなんとかしてもらえるのは彼しかいないのだから。 流石に大の男を抱えて来たのだから、いつも来る病院の馴染みの警備員ですら、少し驚いたような顔でこちらを見てきた。そんな事はお構い無しで身分証を提示して、さっさと博士の部屋へ急いだ。 伊佐が部屋に入るなり、やはり本題に入った。「...
2017.04.16 22:00チクタと化け猫 チクタはお腹に時計が埋め込まれたハリネズミです。お腹の時計を動かしてもらえるようにするために時計職人を探して、旅をしています。 あるときチクタは薔薇が沢山咲いている園へ迷い込みました。「ここはどこだろう?」見渡せどもあたりは白と赤の薔薇の世界で、いったい自分はいつからここに迷い込んだのかも分からなくなりました。道らしきところをたどると、誰かとぶつかりました。「あいたたた。ごめんなさい、怪我はない?」「ああ!急がなきゃ!って、そうじゃない、こちらこそごめんなさい。君こそ怪我はないかい?」ぶつかった相手はそういって、手を差し伸べました。チクタも相手へ感謝し、立ち上がる。「……よかった。ぼくはチクタ」「走っていた僕が悪いさ。怪我がなくて何よりだよ。僕は化け...
2017.04.16 22:00十万馬力 方や、十人程のヤクザ、方や細身の青年。多勢に無勢である。見た目であれば、どうみてもヤクザの方が優勢である。これが、およそ十分前の光景である。「伊佐はなんとか捕まえられたかな?」青年は、飄々とつぶやく。 十分後の現在。ヤクザは一人として起き上がっていない。青年は黙々とヤクザ達を拘束している。身なりこそ少々乱れている物のまったくダメージを負っていないようだ。「早く戻ってきてくれるといいけど」 青年はポケットから通信機器を取り出し、何やら操作しだした。 ヤクザの一人がのそりと起き上がったことに青年は気が付いていない。 青年、サーカムという保険会社の調査員の千条雅人は、ただの人間ではない。以前脳にダメージを負い、特殊なチップを埋め込まれている。先程、どうみて...
2017.04.16 22:00面影 伊佐が非番に変わる時間の時だった。サーカム財団極東支部へ書類を出し、廊下から出る所で何かに躓いた。あの病院ほどでもないが、サーカムに支部もだいぶ他の建物よりもゴミが落ちていない。ましてや躓く程の大きい物が落ちていたなんてないとは思うが、躓いた人間がいるのだ。ゴミなら然るべき所に捨てて欲しいなど心の中で愚痴りながら後ろを振り返った。 一瞬、頭の中が真っ白になった。振り返る途中に細い糸が見えた。糸は掴んでいたらし。壁に隠れて見えなかった。片方は西秋有香がつかんでいて、もう片方は「……何をしているんだお前ら……」「何って悪戯だよ」悪びれずに答えたのはもう片方を掴む千条だった。 事は最近サーカムに入った西秋有香と例の病院に入院している妹の真琴の雑談が発端であ...
2017.04.16 22:00おおげさだ 目が痛い。そう言って伊佐は目を押さえてしゃがみこんだ。「どうしたんだい、伊佐。目にゴミでも入ったのかい?」特に心配そうでもない声音で千条はてきぱきと目の洗浄液を取り出す。 コンタクト装着の者なら見たことのあるペットボトルに似た容器。容器の蓋を覆い被さる形で付属されている洗浄する為のコップ、洗浄液を入れた物と違い、暗い茶色とも黒とも判別の難しい色がついている。市販のでも成分的には伊佐が使用しても問題は無いらしいが、市販のは透明なので、伊佐がコップから見える光に耐えられないのだ。 目の洗浄専用の容器を伊佐に渡すが、必要ないと手で断られた。しかし伊佐の手に無理矢理置いた。「伊佐、分かっているだろうが、君の管理も僕の仕事だよ。失明したらどうするんだ。ペイパー...